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防犯アドバイス(3)

子どもを犯罪から守るための企業の果たす役割
近年、全国各地で子どもを対象とした凶悪事件が発生しています、愛知県においても先日、豊田市内で下校途中の女子生徒が殺害されるという、痛ましい事件が発生しました。子どもを対象とした事件や、声かけ、つきまとい等の事案は後を絶たない状況にあります。子どもを犯罪から守るためには、警察、自治体、地域が一体となって取り組むことが重要です。

■安全なまちづくりの基本的な考え方

  • 犯罪の防止は、県民の安全・安心が関わる大切な問題です。そのためには、「犯罪にあわない」「犯罪を起こさせない」「犯罪を見逃さない」まちづくりが必要です、特に次のような点に配意することがポイントです。
  • (1)人の目の確保(監視性の確保)
    多くの「人の目」(視線)を自然な形で確保し、犯罪企図者に「犯罪を行えば誰かに見られるかもしれない」と感じさせることにより犯罪抑止を図ること。
  • (2)犯罪企図者の接近防止(接近の制御)
    犯罪企図者が被害者等に接近することを妨げることにより、犯罪の機会を減少させること。
  • (3)地域の共同意識の向上(領域性の強化)
    安全なまちづくりを行う地域の住民等が「我が町意識」を持ち、コミュニティの形成、環境の維持管理、防犯活動の活性化等を通じて犯罪抑止を図ること。

■子どもを対象とした犯罪等の認知状況(愛知県内13歳未満の子ども対象)

13歳未満の子どもが被害者となった「殺人」「略取誘拐」「強姦・強制わいせつ」「暴行・傷害」といった事件は、ここ数年減少又は横ばいの状況が続いております。また、声かけ、つきまとい等の犯罪の前兆事案について昨年は、前年よりも減少したもののそれ以前の平成17年との比較では、+68.6%となっています。これは、奈良県や広島県で発生した小学1年生児童殺害事件以降、地域における子どもの安全についての関心が高まり、飛躍的に増加したものと思われますが、ほぼ1日に1件程度は県内において声かけ、つきまとい等の事案が発生していることとなり、予断を許さない状況であることに変わりありません。

■子どもが被害に遭う時の特徴

  • (1)1人でいる時の方が狙われやすい
    平成17年に奈良県、広島県、栃木県で発生した小学1年生児童殺害事件等の過去の凶悪事件を見てみますと児童が1人になった下校時に狙われています。
  • (2)甘語等を用い言葉巧みに誘い出す
    言葉巧みに誘い出すために信用して思わずついて行ってしまう。「車に乗っていかない?」「写真撮らせて!」など、子どもがつい、気を許してしまう言葉で誘い出します。
  • (3)犯罪に巻き込まれても、誰にも言わないことがある
    わいせつ事件は、恥ずかしさや恐怖、親に叱られるかもしれないなどといった理由で被害に遭っても黙っている子どもがいます。その時の被害もさることながら心的外傷後ストレス障害(PTSD)も心配されます。

防犯指導・防犯対策のポイント

  • (1)大人の目線と子どもの目線では、危険な場所が異なる場合があります。学区内のどんな場所が犯罪に遭いやすい危険な場所かを子どもと一緒に確認し、その対応方法を話し合うなど子どもの危機回避能力を育むことが大切です。
  • (2)「こうしてはいけない」と一方的に教えるより、登下校などに危険な目に遭った場合を想定し「こんなときどうする?」と問いかけ、子ども自身に考えさせてから正しい方法を教える方が効果的です。
  • (3)子どもへの防犯指導は、「繰り返し」が基本です。機会あるごとに繰り返し防犯指導をすることが大切です。
  • (4)子どもをできる限り「1人にさせない」ことが大切です。1人で遊んでいたり、遅くまで遊んでいる子どもを見かけたら早く帰るよう促してください。地域ぐるみの取組みが必要です。

子どもを犯罪から守る対策

  • (1)「こども110番の家」の設置等
    「こども110番の家」は、子どもが声かけ、つきまとい等の危険な目に遭った時に駆け込む避難場所として、愛知県警察では平成10年4月に県内の全小学校区に約9800か所の家や事務所などを警察署長の委嘱として設置しました。現在では自治体の委嘱によるものや、町内会、PTA、商店、事業所が独自で実施している「こども110番の家」も多数あり、約6万4000か所にのぼっています。最近では、企業が支店や営業所などを「こども110番の家」とするなど活動が活発に行われています。
  • (2)情報の共有化
    子どもの安全に対する県民の関心は高まっており、子どもに対する声かけ、つきまとい等の事案については迅速な情報提供が求められていることから、愛知県警察ではメールマガジン「パトネットあいち」や愛知県警察ホームページにより、警察署ごとの声かけ、つきまとい等の発生情報を県民の皆さんに迅速に提供し情報の共有化を図っています。
  • ★「パトネットあいち」
    愛知県内で発生した事件、不審者等の情報を携帯電話のメールで地域別に配信するサービスで、登録料は無料です。ただし、別途通信料はかかります。
    登録方法 m.patnet@cep.jpに空メールを送信する。
  • (3)子どもの見守り活動
    愛知県内には、自主防犯ボランティア団体が1905団体あります。これらの団体の中には、学校、PTA、企業等いろいろな組織が連携して通学路等において、防犯パトロール等の自主防犯活動を行っており、具体的には児童等の登下校時に主要交差点に立って見守り活動を実施したり、企業の車にステッカーを貼付して事業活動を行いながら子どもの安全を見守っているものもあります。

■企業の果たす役割

地域で自主的に行われている防犯活動や子どもを守る取組みに決まった形はありません。パトロール活動がその代表例ですが、従来から行われている町内会等のボランティアに加えて企業市民として社会貢献を果たしている会社もあります。皆様方も「こども110番の家」の設置や子どもの見守り活動などの防犯ボランティア活動に参加し、子どもたちの活発な声がまち中から聞こえてくる安全、安心なまちを作りましょう。

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