防犯対策をしていますか?
近年、日本の「安全神話」は揺らいでいるといわれています。確かに、日々の報道でも、凶悪な傷害事件や悪質な詐欺などが、数多く取り上げられています。そこで私たちにできる防犯対策の一部をご紹介しましょう。
■住居やその周辺でできる防犯
空き巣や忍び込みといった、いわゆる「泥棒(侵入犯)」からターゲットにされやすいのは、入りやすい住居です。侵入作業に5分かかると約7割、10分かかると約9割の泥棒が侵入を諦めるとされています。自分の住まいを点検して、泥棒が諦めるような住居に改善しましょう。また、ご近所づきあいも大切です。治安の向上には「地域の目」が必要不可欠なのです。
●犯行を諦めた主な理由(複数回答)
- 近所の人にじろじろ見られた、声をかけられた 63%
- ドアや窓に補助鍵有り 34%
- 犬を飼っていた 31%
- セキュリティシステム有り 31%
- 窓に頑丈な面格子設置 23%
- 防犯カメラ設置 23%
- 窓が防犯ガラス。また、補助鍵つきである。 ベランダにセンサーつきライトや防犯ブザーがある。
- 庭にセンサーつきライトがある。
- 犬(番犬)がいる。
- 塀を超えたところに植木がある。
- 塀が低く、見通し良好である。
- 夜間、外灯が点灯する。
- 玄関に補助鍵。セキュリティ加入シールがある。
- 外から鍵が届かない門扉である。
- 雨戸に外れ止めがある。
- 窓に面格子がある。
- 親しい近所づきあいが有る。
●泥棒に侵入されにくい住居(1戸建ての場合)
●その他の泥棒対策
- ゴミ捨てなど、ちょっとした外出時にもドア、窓の施錠を!
- 集合住宅ではオートロックを過信しない。また高層階でも、窓は開けっ放しにせず、補助鍵も設置すること。
- 今の泥棒はスーツや普段着、作業着など、一般の人と変わらぬ格好をしている。また、宅配業者などになりすました強盗も! 容姿にとらわれず、知らない人の来訪時には用心すること。
■詐欺や悪徳商法に対する防犯
ここ数年、詐欺や悪徳商法は巧妙化する一方であり、狙われる年代も、お年寄りが多いものの、若い世代を狙ったものもあります。性別や年代に関わらず、注意しましょう。●よくある詐欺や悪徳商法
【オレオレ(振り込め)詐欺】
中高年の女性に被害が多い。親族や警察官弁護士などを装って「お金が必要だから、今すぐ口座に振り込んで!」と連絡が来る。このような場合、どんな内容であれ一度電話を切り、本人に直接連絡、確認すること。なお、警察官が示談を勧めたり、弁護士や保険会社が当事者の家族に電話で示談金の要求をすることはありません。【架空請求詐欺】
身に覚えのない請求書(請求メール)を送りつけ、金銭を振り込ませる。30〜50代男性に被害が多い。もし身に覚えのない請求書が届いたら、徹底的に無視すること。請求書に書かれた連絡先には絶対に連絡しないこと。
【リフォーム詐欺】
不必要なリフォーム工事を契約させ、高額な料金を請求する。お年寄りが被害にあいやすい。基本的な対抗策は、訪問販売員、自分が頼んでいない工事業者などは、一切家に入れず、相手にしないこと。また、こういった業者の「すぐに建て替えないと柱が腐って家が倒れる」といった不安をあおる言葉は無視し、気にしないこと。
【催眠商法、デート商法、役所の人間をかたった詐欺】
- いろいろな手口は多種多様である。それらへの共通した対抗策は、訪問販売員や路上の勧誘員は無視する。
- 高額な買い物や契約は絶対に即決しないこと。
- 見知らぬ訪問者や突然電話してきた相手の肩書や話の内容は簡単に信用しないこと。
- 「必ず儲かる」「チャンスは今だけ」「家が腐る」など、心を惑わす甘言や、必要以上に購買意欲を焚きつける言葉、不安をあおる言葉は鵜呑みにしないこと。
- もし詐欺や悪徳商法の被害にあった場合は、躊躇せず、すぐに最寄りの警察、弁護士、消費生活センターなどに通報、連絡、相談しましょう。クーリング・オフなどの善後策を説明してくれますし、場合によっては被害を最小限に食い止められます。
■路上での防犯
路上では、ひったくりに注意が必要です。また、自転車やバイク、自動車の盗難、車上荒らしにも、十分な対策を行いましょう。
●ひったくり対策
ショルダーバックはたすきがけにして肩からかける。ハンドバックは車道と反対側に持つこと。
暗い道、細い道は極力避ける。また、携帯電話で会話やメールに夢中にならないこと。
自転車の前かごには、市販の防護ネットをつけること。
●乗り物の盗難対策
自転車やバイクには鍵を2個つける。また、バイクや自動車には盗難防止装置をつける。
明るく管理の行き届いた駐輪場、駐車場に保管する。自宅の駐車場もセンサーライトを取りつけるなど対策を徹底する。
降りて離れる時は、短時間でも施錠し、窓も閉める。
自動車の車内に貴重品やスペアキーを置かないこと。
■子どもの防犯
近年、子どもを狙った痛ましい犯罪が続いて発生しています。こうした犯罪を未然に防ぐため、また、子どもが犯罪にあいそうになったときに水際で阻止するため、親ができること、地域や企業でできることは、多くあります。そのひとつひとつを実践して、我が子を、そして地域の子どもたちを守ってあげましょう。
●子どもたちを犯罪者から守る対策
【親が行う対策】
近所の危険な場所(人の目が届きにくく、誰でも出入りできる場所〜人気のない路地、公園のトイレなど)や、安全な避難場所(交番、学校、常に在中者がいる公共施設など)を子どもと一緒に見てまわり、確認する。
友達と一緒に下校させるなど、なるべくひとりで行動させない。また、防犯ブザーやホイッスルなどを持たせ、使い方も教える。
知らない人は当然だが、知っている人でも親から直接許しがない限り、ついていかないように教える。
何かあったとき、すぐに相談できる親子関係をつくる。
【地域や企業で行う対策】
防犯パトロールや、「子ども110番」の家に参加するなど、地域の防犯活動に協力する。
活動に参加するのが難しければ、買い物や犬の散歩、玄関掃除、花の水やりといった外出や屋外活動の時間を学校の下校時間にあわせる。
日頃から近所の人(子どもだけではなく、親とも)とあいさつをするなど無理なくできることからやってみる。